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表現者の流儀 #089 篠山紀信

篠山紀信(しのやまきしん 1940123日‐)
写真家
 
赤塚不二夫の漫画『天才バカボン』に、カメラ小僧「篠山紀信君」としても登場する。

 
葛飾北斎が年齢とともに名前と作風、仕事のステージを変えていき、90歳近くまで現役を通したことについてのコメント。
 
 
新しいものに挑戦したくて(名前や画風を)変えたりなんかするんじゃなくてね、
やっぱり、この…自分がやってるでしょ、で、ある極致までいくでしょ、
そうすると、それですごい有名になるでしょ、そうすると、お客さんのほうがそれをまた期待するわけですよ。
ということは、自分が自分のマネをしなくちゃいけなくなるわけよ。
これは、とても嫌なんですよ、物を作る人間にとっては。
こんな僕でも、こんな僕でもですよ、名前を変えたいと思ったことあるもん。
もう、いいよ、あの漢字の名前は、いつも電車に乗ると中刷り(広告)のとこでダーッと(名前が)出てるしね。
もう、鬱陶しいの、この名前は。
本当にね、署名を入れないでね、内緒で(作品を)出したりってことがあるとかね。
 
(それでも自分の名声にしがみつきたい気持ちも)もちろん、あるんですよ。
それ全部取っ払っちゃうとさ、食えなくなっちゃうからね(笑)
仕事としては、そういうんで、「できますよ、できますけど、あたしは新規開発、こんなジャンルもできますよ」
てなね、ことで、まぁ(新作を)見せるわけだよね。

 
 
僕は年齢って、ホント意識したことないの。
昔の写真とか、未来の写真とか、あんまり関係ないの。
もう、今日! 今日撮る写真は、ちゃんと撮ろうと思うわけよ。
だから、毎日毎日をちゃんと生きた、そんで、その継続した結果が90(歳)になるっていうのが、
僕は物を作る人、物を描く人なんかが…ホントの気持ちはそうじゃないかと思うんだよね。

だって、この歳になったら来年死ぬかもしれないよ、明日かもしれないでしょ。
そしたらね、死ぬっていうことへの恐怖は、すごくあると思うね。
物を作るって人はね、やっぱりつねにね、恐怖がないと、生きてるってことに、うん。
明日死ぬかもしれないし、俺の名声って、もうなくなるかもしれないし、
つまり、そういうことのね、負の力っていうかな、それが根底に、物を作る人にあると、一生懸命、物を作るんですよ。
 
 
僕はね、時代が生んだ人、物、事、そこに寄ってって、その時代を複写してるわけですから、
まったく真っ白いキャンバスの中に絵を描くっていうのとちょっと違って、現実が、時代が生んでくれるわけですよね。

だから、その…なんか僕が時代とね並走できる間は写真をやってると思うんですよ。
でもさ、体力なんてね、やっぱり衰えてくるしさ、そのときにズレてきたらさ、
僕はもう北斎みたいなことは言わないよ、すぐ写真やめちゃうよ。
 
 
結局、この人(北斎)は何をしたかったかというと、自由を獲得したかったんだよね。
やっぱり、自分の手と心で描く絵が、なんでもかんでも自由に自分がやりたかったんだよ。
そのために権力に擦り寄ってみたり、有名になって同じようなことを繰り返さなきゃいけなくなったりっていうようなことを全部捨てて、
ほいで、とにかく自由に、自由にっていってるわけですよ。
だから、(北斎がよく歩いて旅をしたのは)まぁ今の人が見ると、健康のために歩いてるんじゃないのって…
(ただ)歩いてるんじゃない、あれは自由を取りに歩いていってるんだよね。
やっぱり本当に、物を作る人の鏡ですよ。
 
 
毎日、1日1日をちゃんと生きる、それしかない。
それが90(歳)まで続けば、いいことで、それがもうちゃんとできないようだったら、
もう…生きててもしょうがないですよ。

 
NHK『知恵泉』より)


 
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at 00:07, maricro15, -

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表現者の流儀 #088 松本零士

松本零士(まつもとれいじ 1938125日‐)
漫画家
 
漫画家を志し、福岡から上京したものの、発表の場に恵まれなかったが、少女漫画誌に活動の場を見出す。
その後、少年誌への仕事も少しずつ増え始めるが、なかなか人気が出ず何度も連載打ち切りの屈辱を味わう。
そうした中、ようやく出世作「男おいどん」(『週刊少年マガジン』に連載)で人気を得たことで、
はっきり気づいたことについての述懐。

 
 
おもしろく、きれいな物語を描こうじゃダメなんです。
何のために、という目的ですね。
それは、インキンタムシになって貧乏な下宿(暮らし)をしてても、
未来を信じて、がんばる若者を描くというのに目覚めたわけです。
それ以来、自分の描く少年や青年の性格が、だんだんそれに似てきたわけですよね。

 
BS朝日『ザ・ドキュメンタリー 手塚治虫、赤塚不二夫、松本零士 昭和の天才漫画家たち』より)
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at 17:31, maricro15, -

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表現者の流儀 #087 マーヴィン・ゲイ

マーヴィン・ゲイ(193942日‐198441日)
ミュージシャン、シンガー
 
名曲『What’s Going On』などで知られる。
離婚、薬物依存、破産の後、復活を遂げたが、
最後は両親の喧嘩の仲裁に入ったところ、父と口論になり、
激昂した父が放った拳銃の弾が胸に当たり死亡。
 
アルバム『I Want You』(1976年)のプロデューサーでミュージシャンのリオン・ウェアの述懐。
 
 
ある日、私がスタジオに入ると、マーヴィンが歌を歌っていた。
でも、スタジオのどこを探しても姿が見えない。
「どこにいるんだ?」と思ったね。
ボーカルブースにもいないし、VIPルームにもいない。
でも、彼の歌う声だけは聴こえるんだ。
そこで、スタジオを覗きこむと、彼がソファーに横になって歌ってたんだ。
私は目をこすった。今になっても、あんなことできる人間を知らない。
つまり、横になった状態で、あんなにちゃんと「歌える」人間はいないのさ。
彼にとってはパフォーマンスをするのにリラックスしすぎてるとか、
リラックスしすぎてパフォーマンスはどうでもいいってことはないんだ。

 
BS-TBSSong to Soulより
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at 00:28, maricro15, -

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表現者の流儀 #086 篠田桃紅

篠田桃紅(しのだとうこう 1913328日‐)
美術家
 
書家から始まり、文字の決まりを事から離れて、墨の新しい造形を試みることで、
水墨の抽象画「墨象」と呼ばれる前衛書道の作品を多く生み出した。
 
 
結局、仏教だってキリスト教だってみな、「人がどう生きるか」ってことに尽きますよね。
人間てのは、どういうふうに生まれて、どういうふうに生きて、
どういうふうにして病気になったり、死んだりしていく…

そういう人間っていうのの一生は、決まりがない。
大体、決まってるようだけど、まったく決まりがない。
 
私が生涯に出会った人々のことをみても、一人として同じ人はいませんものね。
結局、人は孤独なんですね。その人は、一人なんですね。
たとえば、「孤独」という「独り」という字に、「孤」という字と「独」という字と、2つね、当てたりして、
昔の人もどっちとも決められないんですよ。

だから、あの…そういう迷いの形が文化なの。
人間の迷いの形が文化ですね。
私は、文化ってのは全部「迷い」だと、この頃、この歳になって思います。
だって、毎日、あたし絵を描いてますけど、一筆、いつでも迷ってんですもん、まだ。
こうと決まってるわけじゃないですもん。
だから、迷いですよ、一生。
迷路。迷路に入ってんですよ、人間は死ぬまで。
 
ただ、もう慣れてきたから…私は、なんか自分の中にね、そういう迷いと、
まぁ、自ずからなんとかなっていくだろうと、そういう楽天的な考え方と、
いつもやり合ってるなと。

 
NHKSWITCHインタビュー 達人達』より)
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表現者の流儀 #085 小泉今日子

小泉今日子(こいずみきょうこ 196624日‐)
アイドル、歌手、女優
 
 
確実に生きる時間とかもね…はっきりもう…してきてるっていうか、
「やんなきゃ」って思ったことを明日には持って行けないみたいな…
そんなふうに生きないと間に合わないし、
「やってみたいな」と思ってもできなかったことみたいなのを、
勉強しながら、一個づつ叶えていけたらいいのかなぁ……
 
でも結局、20代のときとか、どうしてよく旅に出てたのかなって思うと、
何者でもない自分っていうのを確かめに来てたし、
20代のころとか、確かめなければ怖くなってたんだと思うのね。
少しずつ、いろんな経験をして、確かめなくても「自分は大丈夫」っていう時間も過ごしてきたけど、
あと死ぬまでの間って、何かもうひとイベントっていうか、

自分の人生の中で…「ゼロ」に戻るみたいな…気持がほしい気がしていて。
別の場所? から日本とか自分を見ることって…すごい大事だなって。
 
なんだろな…もうちょっとアクティブに…ここから10年は…少なくても10年はアクティブな毎日を過ごすべきだし、
過ごしたいなっていう感じかな、

それを忘れてたって思うんですよね。
どんどん出不精になっていって、どっちかっていったら自分のその…心の中を旅してるっていうか、
割と内省していくような時間が長く続いてたので、

やっぱり外に向かうっていうのかな、
それをまた一から始めたいなって気分になってる……

 
(テレビ朝日『小泉今日子 50歳 ニューヨーク』より)
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