石牟礼道子(いしむれみちこ 1927年3月11日 - )
小説家、詩人。
代表作は、熊本水俣病を題材にした『苦海浄土 わが水俣病』。
「書くということは何だろうと思ってましたから。
物を書くということは、どういう意味があるんだろうとは深く思ってまして。
人間が……辱められてるって……存在が。
時代というのが……代用教員を辞めるころから……人間と国家と、それから、いちばん人間の単位の家族とか、村とか町とか、国家とか何だろうと、ずっと思ってましたんで、
これを書けば、それがわかるんじゃないかと思って。
最小単位としての人間が辱められている。
で、一字ずつ、ゆっくりかかって一字ずつ言葉を探して、書き始めましたね。
そういうと物物しいですけど、そんなに物物しくなく、音を立てずに書いてました。
事事しくならないようにと思って……」
(『日本人は何をめざしてきたのか 知の巨人たち 第6回 近代とは何か 魂の行方』NHKより)