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年をとるってどういうことよ?

ここまで生きて年を重ねたうえで、
地球時間での、この先の「未来」を考えると、
どうしても直面せざるを得ないことがある。
「老後」である。
 
10年ほど前、インドに撮影に行ったとき、
ある夜、ヒンドゥーの聖地のひとつ、バラナシのレストランで、
あまり辛くはないが、美味しい本場のカレーを食べていた。
すると、現地コーディネーターのインド人M氏が言った。
「今ね、となりのホテルにすごく当たるっていう占い師が来てるの。
行ってみる?」
 
女優やヘアメイクさんら女性陣は盛り上がる。
まぁ、M氏と占い師がグルな可能性は十分高いけれど、
「行ってみますか!」ということで、
5人くらい引き連れて、インドのカリスマに会いに行った。
 
インド占星術師だという彼は、「何を占うか?」と訊いてくる。
「あなたが見えるものを教えてくれ」と僕は答えた。
 
「お金」「仕事」「恋愛」……日本でもおなじみの項目を、
言われるままに勝手に占ってもらっていると、彼の手が止まった。
そして、何やら紙に書き始めた。
Life……long long life 91
そうして彼は、ニヤリと笑った。
 
これは困った、と思った。
91歳まで生きなければいけないとは!
まったく考えもしなかった……。
 
しかし、可能性はある。
母方のばあちゃんは96歳まで生きて、老衰で逝った。
もっとも、父方のじいちゃんは49で早死にしたそうだから、
遺伝子的には、なんともいえないところではある。
 
しかし、多くの人が望むように、長生きは本当に幸せなのだろうか?
 
去年の「週刊ポスト」にこんな記事が載っていた。
ある老人のインタビュー。
 
3:00くらいに目が覚めて、
5:00までNHKの『ラジオ深夜便』を聴く。
その後、外に出て掃除をする。
5:40、明治神宮の門が開くのと同時に入園。
6:30、ラジオ体操をする。
 
「『ラジオ深夜便』聴いて、大晦日も元旦も、
雨が降っても雪が降っても、ほとんど毎日ここに来てラジオ体操する。
まぁほんと、ラジオ体操くらいしかやることないの。
もう、何にも楽しみないからね」
 
それ以外の時間、彼は何をしているのだろうか?
 
高齢者の犯罪でもっとも多いのが窃盗。
男性は5割、女性は8割にも及ぶという。
その中で、男性の6割、女性の9割が万引き犯らしい。
とくに、一人暮らしの高齢者女性の割合が高いのだそうだ。
 
超高齢社会といわれる今の日本では、
認知症患者が約400万人、その予備軍が約460万人、
65歳以上の4人に1人が「ボケ」だという。
 
また、75歳以上の老人の約3割が要介護者というデータもある。
 
認知症の徘徊老人が轢かれた列車事故で、
遺族が鉄道会社から数百万円の損害賠償請求。
 
死にたいと懇願する老妻の首を、介護に疲れた老夫が絞める。
 
日本尊厳死協会のHPによると、
2012年の会員数は、男性39,958人、女性80,259人だそうだ。
 
内閣府の発表では、2013年の自殺者は27,283人。
実際の自殺者数は、その何倍にもなるという話もある。
 
生きたい人もいれば、死にたい人もいるが、
何もやることがない、何も楽しみがない人生は、
考えただけで怖ろしい。
未来が見えなければ、虚無に堕ちる。
 
ジャズピアニストの上原ひろみさんが、
今年、84歳になったアメリカのジャズピアニスト、
あの故マイルス・デイビスにも影響を与えたという、
アーマッド・ジャマルに、尋ねたという。
「自分のアルバムで一番好きなアルバムは?」
すると彼は、こう応えたそうだ。
Next One!」
 
この世の人生で自分の「生命」が終わってしまうと考えるなら、
老人になったとき、その先の未来の存在など、
到底、感じることはできないだろう。
老いらくの生は退屈で、むなしいものとしか思えないかもしれない。
 
でも、この世での生のあとに、さらに無限に生命が続くとしたら?
とても、80年、90年の人生で、
退屈だとか、むなしいなどとは言っていられない。
同時に、なぜ生まれてきたのか? 生きる意味とは? 
などと悠長なことも考えていられない。
なぜなら、永遠であることが生命の本質なのだから、
この世の人生など、ほんの一瞬の通過点のようなものだ。

 
そうであるならば、ただただ、この世の瞬間もしぶとく生きていく。
 
丈夫な身体を持ち、
若い女の尻を見ては、
「こりゃ、たまらん」などとつぶやき、
酒を飲んでは、言いたいことを言い、
孫娘と楽しく会話をしては小遣いをねだられて、
「しょうがねえな」と言いながら、くれてやる。
そうして、「人生なんてな、意味なんかねえんだよ」と、
若いやつらに、うそぶく。
そんな爺さんに、私はなりたい。

 
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at 23:00, maricro15, -

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僕がパパではなくなる日

昔は気にならなかったことが、あるときから突然、
気になり始めることがある。
 
最近、自分が気になり始めているのは、
子どもに何と呼ばれるのがいいのか、ということ。
 
長男Y10歳になり成長して、
大人になり始めたから感じてきたのだろう。
はたして、このまま「パパ」でいいのだろうかと。
 
自分は、おとうさん、おかあさんと呼んできたが、
いつの頃からか、それを呼ぶのに抵抗というか、
気恥ずかしさのようなものを感じて呼べなくなってしまった。
子どもが生まれてからは、おじいちゃん、おばあちゃんなどと、
つまらない呼び方をしているが、そのほうがラクだから、
そう呼んでいる。
 
さて、問題はこれから息子たちに何と呼ばれるかだ。
 
世の中には、どんな呼び方があるのだろう?
みんな、何と呼んだり呼ばれたりしているのだろう?
 
おとうさん…何か遠い。
とうちゃん…「クレヨンしんちゃん」はこう呼ぶとか。
ダディ・ダッド…そんなふうに呼んでる日本人いるのか?
 
親父、とっちゃん、おとうちゃま、父、父上、とと、オトン、
おとっつあん、おとう、とうさん…
どれも、いまひとつピンとこない。
 
「ねぇ」とか、「あのぉ」とか呼ばれるのも、
どこかで親子関係が失敗したようでせつない。
 
ちなみに、ヘブライ語では「アッバ」、
江戸時代までの日本の皇族は、
「おもうさん」「おたあさん」と呼んでいたという。
 
日本語の履歴書(井口樹生 慶応大教授 著/講談社)
という本によると、
そもそも、「おとうさん」「おかあさん」という呼び方は、
明治に入ってから文部省が普及させたそうだ。
ということは、けっこう新しい言葉らしい。
 
さてさて困ったなと思っていたら、いいものを発見した!
ある言語学者によると、鎌倉時代の頃、
「ちち」のことを「ティティ」と呼んでいたという。
 
これは、いいぞ。
いわゆるキラキラネームのようでいて、どこかロックな響きがある。
ティティ……
 
ちなみに、「はは」は「パパ」と呼んでいたらしい。
母はパパで、パパはママだった!
あぁ、すべては同じだった……パパもママもいっしょ。
 
僕がパパではなくなる日が来るのだろうか?
来るのだろうなぁ。

そして、ティティになる日は?


 
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at 23:13, maricro15, -

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