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誰に最初に文章を読んでもらいたいか(妻より)

 
 先日フットサルについて書いた息子の作文の宿題が先生に絶賛され、教室のみんなの前で発表されたらしい。パパの編集チェックがずいぶん入っての完成だから、息子の実力ではない。
 でも、うれしい。
 先生に誉められるくらい、文章力が伸びている証拠である。

 書くには、読者が必要だ。
 読むのが自分だけなら日記だが、企画書や提案書、作文、手紙、ブログには必ず読者がいる。
 しかも、いろんな読者がいる。
 
 企画書で「よりコアなマーケットに絞った商品」と書けば、
「いやいやもっとマスを狙わないと利益は出せない」とすぐ反撃する上司もいる。

「真実はひとつではない」を書けば、
「いやいや真実はひとつしかない」という読者もいる。

「人はまず、自分のために生きなければならない」と書けば、
「いやいやそれではただの我がままな自己チューではないか」と批判する読者もいる。

 しかし、まず最初に「誰に」読んでもらいたいか。

 その読者が適切な人物であれば、文章はイキイキする。
 だから、編集者は非常に重要なのだ。
 担当編集者が有能であれば、作家らしさがのびのびと出る。

 有能という意味は、
 まずは自分をちゃんと理解してくれる人、
「そういう考えも一理ある」と、まずはちゃんと受け入れてくれる人、
 言いたいことを深い部分まで読みこんでくれる人、
 浅はかではない人、など。

 でも、そんな人、なかなかいるものではない。
 でも、いる。
 それが有能な編集者なのだ。
 それがたとえプロではなくていい。
 スティーヴン・キングも一番最初の読者は奥さんだった。

 そういう意味で、ダンナは有能だ。
 私の、息子たちの人間性そのものをちゃんと理解し、
「そういう考えも一理ある」と、ちゃんと受け入れられる度量もあり、
 言いたいことを深い部分まで読みこみ、
 浅はかではない。
 夫として父親として申し分ない。

 言いたいことを文章でうまく表現するには、まずは優秀な読者を見つけよう。

 そんな読者が身近にいれば、文章はぐんぐん伸びていくはずだ。
 息子には優秀な読者がいる。
 だから我が家は安心だ。

 と、こんなふうに夫を褒めで伸ばすのも妻の役割である。
 

 


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at 11:19, maricro15, -

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子供の作文教室 その2(夫より)


 ベランダでタバコをふかしていると、長男がやって来た。

「ねぇパパ、読む人を楽しませるのが大事なんだよね」

 これは先週、息子に伝えたことだった。忘れずに覚えていたようだ。

 

 作文でも勉強でも仕事でも、やらされてる感のままでは楽しくない。自分が楽しむためにはどうしたらいいのか。

 よほど文章を書くのが好きな子供なら、自分一人でも楽しんで書けるかもしれないが、そうでないなら、やはり読んだ人の反応が大切だ。

 最初の読者である親が、「おもしろい!」と楽しめたら、書いた子供もやはりうれしいだろう。「これ、どういうこと?」「それから、どうなったの?」なんて訊いてみると、子供はうれしそうに話し出すし、ノッてくれば次々に話題も膨らんでいく。

「こうしたらどう?」

 なんて提案すると、

「それ、いいねぇ!」

 なんて言いながら、その気になって机に向かっていく。

というわけで、

1.読む人を楽しませる 

2.句読点(、や。)をきちんと付ける 

3.知ってる漢字は使う 

4.おもしろいタイトルを考える 

という4点について話し合って、修正されてきた作文がこれだ。

 

題「パイはなぜサクッとしているの?」

 

 日曜の朝、パイを食べた。

 そのパイは、はちみつがいっぱいかかっているし、バターもいっぱいかかっているからおいしかったです。

 食べたら手をあらいました。

 そのあと、パイのなぞを考えました。

 ママにきいてもわかりません。

 パパにきいてもわかりません。

 自分で考えてもわかりません。

 つづく

 

 まず、タイトルに「サクッ」という擬音を使ったのがいい。パイのサクサク感が伝わってくる。また、疑問を投げかけることで、読み手を引き込むことに成功している。

意識しているのかどうか、後半の「わかりません」の繰り返しで韻を踏んでいることでリズムが出てきた。

登場人物が3人に増えたことで、ドラマの広がりが生まれている(大げさですね)。少なくとも、行間から、休日の家族の様子を読み手が様々に想像することができる。

そして、オチは何かと思ったら「つづく」と来た。

読み手としても、ずっこけて、「つづくんかい!」とツッコミを入れながらも、次回への期待に支配されてしまっている。

ちょっとしたヒントを話しただけで、予想外によく仕上がったと思う。

 

次回、パイのなぞは解けるのだろうか?

つづく

 

 

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at 13:10, maricro15, -

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子供の作文教室 その1(夫より)

 日曜日。

朝食後に長男が「ハッ」とした顔をした。何かを思い出したらしい。

「どうした?」

「作文の宿題があった……」

「今日のテーマはどうする?」

「んー…今朝、パイを食べたことにする」

 先々週の作文のテーマは、「みかんを食べたこと」だった。

彼の作文は9割以上が「食べ物」に関することだ。つまり、彼の人生の関心事、頭の中のほとんどが「食べること」なのだ。

残りの3%はアニメ(イナズマ・イレブンなど)、3%は学校のこと(とくに隣の席のMちゃん。先月、結婚しよう! と告白されたらしい)、その他、少々…そんな感じだ。

 

さて、とくに作文が好きでもない8歳の男の子がどんな文章を書くのか、彼の作文を実例として、全文を掲載する。本人の了解など取っていないが。

 

「パイを食べたよ」

 

日曜日の朝パイをたべたそのパイははちみつがいっぱいかかっているしバターもいっぱいかかっているからおいしかったです。そのあとてをあらいました。

 

 どうでしょう? 世のお父さん、お母さん、教育関係の仕事をしているみなさん。親として頭が痛いですね。クラクラしてきます……

 彼の名誉のためにフォローしておくと、本当はもっと上手に作文が書けるんです。漢字はもう少し使えるし、句読点も普通に打てる。でも、仮面ライダーが観たいがために、心ここにあらずで、まったくやる気がないと、このざまです。

 

 もちろん、文章が上手な子供はいるが、小学生低学年の作文は大体こんな感じになる。

○○に行って、○○をして、○○を見て、○○を食べて、とても楽しかったです──とい 

うような単なる状況の羅列。タイトルも、そのものズバリ。

 読み手の反応を、まったく意識しない純粋無垢な感性。これこそまさに、プリミティブな魂の叫び! とはけっして言えないこの文章。

 さて、どう添削していけばよいだろうか。



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at 07:52, maricro15, -

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