スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

ケータイ・パソコン・スマートフォンで読む電子書籍
恋愛小説 スイーツ文庫 http://sweetsbunko.jp/

at , スポンサードリンク, -

-, -, - -

文章を書くことは自分の「かけら」を見つけること(妻より)

 
 子どもが小学校にあがると、週に一回くらいのペースで作文が宿題に出る。

 作文。

 親でも苦手なことを子どもにどうやって教えたらいいのだろう!


 あるとき、読書感想文の宿題が出た。
 小学1年生の国語教科書に載っているレオ・レオニ『スイミー ちいさな かしこい さかなの はなし』だ。

 他の魚の兄弟たちはみんな赤いのに、スイミーだけはからすがいよりも真っ黒。
 でも、泳ぐのはだれよりも速く、ある日おそろしいまぐろがミサイルみたいにつっこんできて、スイミーだけが逃げ延びた。
 ひとり広い海を冒険し、仲間を導いていく……というお話だ。

 さて、どうやって感想を書こうか。

 感想を書くには、まずは自分の気持ちと向き合わなければならない。
 次に、その気持ちを整理しなくてはならない。
 さらにそれを文章にする技術が必要だ。

 まずは、自分と向き合うこと。
 技術はあとからついてくる。
 感想文を書けないのは、感想がないからではない。
 子どもは自分の気持ちとの向き合い方がわからないのだ。

 大人であればまずは思いついたことをメモしてみたりするが、メモすることもハードルの高い作業。
 だったら、どうやって自分の気持ちと向き合えばいいんだろう。

 たぶん簡単なやり方は、
 話すこと。
 パッと思い浮かんだところから話し合ってみる。

 スイミーはひとりぼっちでさみしかっただろう。
 スイミーはなぜみんなとちがうんだろう。
 ひとりだけ黒かったからみんなの「目」になれた。
 スイミーは広い海を冒険して世界を知った。知らずに人生を終えるよりやっぱり知りたい。
 
 などなど。

 さみしい
 なぜ他人とちがう
 自分だけなぜ黒い
 冒険したい

 これら思いついたことは、自分そのもの。
 自分のなかにその「かけら」が存在しているという証だ。

 そのかけらを見つけた瞬間、とても爽快な気分になる。
 そのかけらがたとえ濁っていても、赤でも黄色でも青でも、きっと輝いて見えるはずだ。

 だったら、偽物だったり他人のかけらを見つけるのではなく、自分だけの「かけら」を見つけたい。
 それが本物であり自分だからだ。

 文章を書くなら、自分に正直にならなければならないということなのだろう。
 自分をさらけ出すことを恐れてはいけないということなのだろう。
 照れてはいけない。
 ごまかしてはいけない。
 嘘つきなら嘘つきの自分をだせばいいということなのだろう。

 ただし、親子では本音で語り合えるが、他人の場合はこうはいかない。

 つまり、かけら(ありのままの自分)と向き合って正直に語るのは、「文章」だからこそできること。
 こっそり書いて人目にふれずに白状することなんて、文章ならいくらでもできるのだ。

 自分を知る。
 その自分をおそれず出す。

 この一連の作業をなんどもなんどもくり返しながら書くことで、何を手に入れられるのだろう。
 それは、無数の「かけら」が散りばめられた満天の星空。
 その星空が自分のなかにあることに気づいたとき、きっと自分が輝いていることを知るだろう。

 





 
ケータイ・パソコン・スマートフォンで読む電子書籍
恋愛小説 スイーツ文庫 http://sweetsbunko.jp/

at 10:05, maricro15, -

-, -, - -